日本神話の謎を読み解く
伊坂 青司(著/文 他)
四六判 196ページ 並製
定価 2,200円 (消費税 200円)
ISBN978-4-87035-844-7 C0021
書店発売予定日 2026年02月01日 登録日 2025年12月23日
解説
なぜ古事記と日本書紀は異なるのか。記紀に残された数々の謎を、記紀の記述そのものの読解をはじめ、考古学・歴史学・哲学研究の見地を総動員して解き明かす。近代ドイツ哲学・神話論を研究してきた著者が紡ぐ異色の新・神話論!
紹介
「神話」は民族の「普遍的な財産」である――(ヘーゲル)。
なぜ『古事記』と『日本書紀』は異なるのか。
伊邪那岐命の旅、出雲の国譲り、天孫降臨、神武東遷――。
記紀に残された数々の謎を、記紀の記述そのものの読解をはじめ、考古学・歴史学・哲学研究の見地を総動員して解き明かす。長年、近代ドイツ哲学・神話論を研究してきた著者が紡ぐ異色の新・神話論!
目次
第一章 記・紀編纂の謎
『古事記』と『日本書紀』の編纂の違いはなぜ生じたのか?
第二章 高天原神話の謎
1:高天原の原初三神にどのような違いがあるのか?
2:伊邪那岐命と伊邪那美命はどのようにして地上の国々と神々を生んだのか?
3:伊邪那岐命はなぜ黄泉国の伊邪那美命に会いに行ったのか?
4:伊邪那岐命はなぜ出雲から筑紫の日向に移動したのか?
5:天照大神はなぜ高天原での須佐之男命の乱暴狼藉を許してしまったのか?
第三章 出雲神話の謎
1:須佐之男命はなぜ出雲で変身したのか?
2:大国主神はどのようにして出雲国を作ったのか?
3:大国主神はなぜ出雲国を天照大神の子孫に献上したのか?
第四章 日向神話の謎
1:天照大神はなぜ孫の邇邇芸命を筑紫の日向に天降りさせたのか?
2:邇邇芸命が結婚した木花之佐久夜毘売と子どもたちの正体とは?
3:火遠理命(山佐知毘古)の子を生んだ豊玉毘売の正体とは?
第五章 神武東遷と初期ヤマト王権の謎
1:神倭伊波礼毘古命はなぜ筑紫の日向からヤマトへ東遷したのか?
2:神武東遷はどのような時代状況の中でいつ行われたのか?
3:初期ヤマト王権はなぜ三輪山西麓に形成されたのか?
前書きなど
記・紀神話は、戦前には神話がそのまま史実であるかのように教育・喧伝され、国民精神総動員のために恣意的に利用されたという不幸な歴史を経験している。また戦後はその反動から、記・紀神話の物語をフィクションとして、その史実性を否定する傾向がしばらく続いた。
しかし現在では、記・紀神話の物語をそのまま史実とするのでもなく、また単なるフィクションとして切り捨てるのでもなく、物語の内容を歴史的事実と照らし合わせて検証する、地道な神話研究が積み重ねられている。
本書はこうした近年の記・紀神話研究を踏まえて、先入観に基づいた恣意的な解釈を排して、まずはテキストに即して解読することを趣旨としている。さらにテキスト解読にあたっては、神話的フィクションとも思える物語に「なぜ」「どのように」という問いを投げかけることによって、それぞれの物語を歴史的背景から読み解くことをもう一つの趣旨としている。記・紀神話は伝承を元にしつつも、編纂当時の現在的な関心による潤色が少なからずあり、テキスト解読には記・紀編纂の時代背景を知ることが不可欠である。
(「あとがき」より)
著者プロフィール
伊坂 青司(イサカ セイシ)
1948年、三重県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得。博士(文学・東北大学)。
専門は哲学・文化比較論。
神奈川大学外国語学部教授を経て、2019年に退職。現在、神奈川大学名誉教授。
主著に『ヘーゲルとドイツ・ロマン主義』(お茶の水書房、2000年)、主訳書に『世界史の哲学講義 ベルリン 1822/23年 ヘーゲル』(講談社学術文庫、2018年)、その他、論文多数。 上記内容は本書刊行時のものです。

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