弁護士が書いた読書感想文
安部 光壱(著/文 他)
四六判 492ページ 並製
定価 3,080円 (消費税 280円)
ISBN978-4-87035-845-4 C0095
書店発売日 2026年02月28日 登録日 2026年01月27日
解説
シェイクスピアの言葉は、法廷でのバックボーンとなった――。
一冊の本が、人生を、そして弁護士としての自分をどう変えたのか。
知的で稚的な好奇心を誘う76の読書記録。
紹介
シェイクスピアの言葉は、法廷でのバックボーンとなった――。
一冊の本が、人生を、そして弁護士としての自分をどう変えたのか。
知的で稚的な好奇心を誘う76の読書記録。
本書に収められているのは、単なる感想ではなく、「どこが、なぜ面白いのか」を伝えようとする語りであり、ときにあらすじを辿り、ときに誇張しながら、本の魅力を読者に手渡していく。
感想文の長さや調子はさまざまだが、いずれにも共通するのは、物事を整理し、背景を読み解こうとする弁護士ならではの視点。そこには、「このような本の読み方もある」という著者からのさりげないメッセージが込められている。
目次
推薦文
はじめに
一、食前酒
『恋愛論』/『シェイクスピア名言集』
二、小説
『柳橋物語』/『さぶ』/『五瓣の椿』/『新編 啄木歌集』/『楢山節考』/『赤穂浪士』/『天地明察』/『霖雨』/『旅愁』/『花神』/『生きて行く私』/『源氏物語を知っていますか』/『更級日記 現代語訳付き』/『日の名残り』/『モンテ・クリスト伯』/『呪われた腕 ハーディ傑作選』/『サミング・アップ』/『英国諜報員アシェンデン』/『「レ・ミゼラブル」百六景』/『アルジャーノンに花束を』/『レッド・オクトーバーを追え』/『2034 米中戦争』
三、紀行
『深夜特急』/『城下の人』『曠野の花』『望郷の歌』『誰のために』
四、社会批評
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』/『私は赤ちゃん』/『政権に忖度するな! NHK』/『「いいんだよ」は魔法の言葉 君は君のままでいい』/『それで、よかよか 86の愛のメッセージ』/『神道はなぜ教えがないのか』/『テムズとともに』/『日本滞在見聞記』/『こう考えると、うまくいく。』/『司馬遼太郎で学ぶ日本史』/『摘録 断腸亭日乗』/『世界を救うmRNAワクチンの開発者カタリン・カリコ』/『ほんもの 白洲次郎のことなど』/『ウイルスは生きている』/『ペスト』/『デフォーのペストの記憶』/『酒は人の上に人を造らず』/『平成時代』/『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか』/『日本文学を読む・日本の面影』/『日本の美徳』/『目くじら社会の人間関係』/『何があっても大丈夫』/『家族という病』/『孫子』
五、ノンフィクション
『トリカブト 本庄保険金殺人事件 元捜査一課刑事の回想』/『脚気論争の光と影』/『会計の世界史』/『対人援助職のための精神医学講座』/『データが示す福岡市の不都合な真実』/『生物はなぜ死ぬのか』
六、法と裁判
『法窓夜話』『続法窓夜話』/『法窓夜話』/『続 法窓夜話』/『岡松参太郎の遺緒』/『死刑執行された冤罪 飯塚事件』/『岐路に立つ市民の司法参加制度』/『事業所が労働法の罠に嵌る前に読む本』/『加害者家族バッシング 世間学から考える』/『弁護士・金敬得追悼集』/『誤まった裁判』/『獄中日記』『八海事件獄中日記』/『なぜ弁護士は訴えられるのか』/『量刑』/『「大岡裁き」の法意識 西洋法と日本人』/『たった一人のために ある昭和戦中派法学徒の戦後史』
七、食後のデザート
正岡子規という物語 ガツガツ生きる/映画感想文「国宝」を見て
あとがきによせて
前書きなど
旅行した時、食事をした時、本を読んだ時など、たいていの人は楽しかった、おいしかった、とても面白かった等と言う。
私はこんな時、どう面白かったのかを聞きたいし、私は話したくなる。例えばそれが本なら、その面白さを伝えるためにあらすじを言ったり、そのあらすじを誇張して言ったりして、その本のどこが面白いか等を説明する。
どうも私にはこのサービス精神とエンターテイメント性があるようで、それらをFacebookやロータリーの月報に気の向くままに投稿していた。
これらは別に本にするまでの気持ちはなかった。ただ一方で私は平成二十四年に『移りゆく法と裁判』を法律文化社から出版したので、その続編を作りたかった。
この本には平成から令和の現在に至るまでに起きた事件や裁判・立法等について私のコメントを書くつもりだった。
しかし、書いている途中から世の中の、特に令和の時代になってから流れが加速し、せっかく書いたコメントが若干時代遅れの感がしだして、本として出版するのを躊躇した。
その代わり、興味本位で書いていた小説や友人から紹介された本の感想などを改めて読んでみると、自分で言うのもなんだが「面白いんじゃないか」という気がした。ただこの感想文は趣味で気ままに書いたもので、ある感想文は短いが、ある感想文は三~四回にわたって書いていたり重複したりもしている。よく言うと丁寧、悪く言うとしつこい感想文になっていた。
しかしこの感想文は、私が弁護士であることを意識するとしないとにかかわらず、どうしても弁護士のスタンスが出ている。私は「このような本の読み方がありますよ」という意味でも皆さんに伝えたくなった。
だから、この感想文は前著『移りゆく法と裁判』と同じ傾向で書かれている。
令和に入ってからの東京オリンピック、コロナ、トランプ大統領の出現、ウクライナ戦争、IT化等の出来事が重なって、それらが本書に掲載した本の背景となって書かれている。読者の方々には、息が詰まるような現代にどう生きていけばいいのかという私の思いが隠されていると思っていただければと思う。
要は、この本は博多がめ煮のようなエンターテイメント、人に聞かせて面白いという生来のサービス精神を念頭に、今の時代に対する混雑した思いが含まれていると思って読んでいただけたら幸いである。(「はじめに」より)
著者プロフィール
安部 光壱(アベ コウイチ)
1950年 大分県日田市生まれ1969年 福岡県立小倉高等学校卒業
1970年 九州大学法学部入学
1975年 九州大学法学部卒業
同 年 九州大学大学院法学研究科修士課程入学(刑事訴訟法専攻)
1976年 司法試験合格
1977年 九州大学大学院法学研究科修士課程修了
同 年 司法研修所入所(31 期)
1979年 弁護士登録(福岡県)堤克彦法律事務所に勤務
1985年 独立開業
1991年 安部・有地法律事務所とする
現在に至る
(著作一覧)
『家事紛争ハンドブック』弘文堂 共著 1988年
『移りゆく法と裁判』法律文化社 2012年
『会長の長話(ロータリー小冊子)』アオヤギ株式会社 2017年
『私のガバナー補佐日記(ロータリー小冊子)』アオヤギ株式会社 2023年
『平成カレンダー(小冊子)』アオヤギ株式会社 2019年 上記内容は本書刊行時のものです。

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