中村哲の言葉1 不条理への復讐
中村 哲(著/文 他)
四六判 224ページ 並製
価格 1,650円 (消費税 150円)
ISBN978-4-88344-343-7 C0036
在庫あり
書店発売日 2026年07月20日 登録日 2026年07月07日
解説
不条理と混迷に沈む世界の羅針盤
中村医師の2冊の初期著作から、氏の思想をクリアに示す言葉を選択・編集したパラグラフ集
紹介
不条理と混迷に沈む世界の羅針盤
中村医師の2冊の初期著作から、
氏の思想をクリアに示す言葉を選択・編集したパラグラフ集
「近代化」とは
中世の牧歌的な迷信が、
別のもっともらしい
科学的迷信におきかえられてゆく
過程に過ぎない
「やがては総てが漠々たる沙漠の塵と化し、熱風の中に消えてゆくという確実な実感がここにはある。ソ連軍の機影もムジャヘディンのライフルも、戦争も人間も、人々の喜びや悲しみも、我々の医療活動も、貧困も富も、総ては所詮、風化してゆく人の営みにすぎない。しかし、それでも尚、我々の忘れてはならぬものがあるとすれば、それは何であろう。ペシャワールでの働きが、我々自身への問い掛けと示唆であることを祈りたい。」――中村哲
目次
混迷の世界の羅針盤 まえがきにかえて
〈章〉
不条理への復讐
〈ハンセン病〉
アフガン国内診療所建設
ペシャワール
アフガン戦争
国際援助とアジア
人間と神
日本
愚直
神聖な空白
関連略年表
編集付記
前書きなど
混迷の世界の羅針盤 まえがきにかえて
中村哲医師は、実践と思索の人である。
彼の著書を読んだ人は、ハンセン病診療に始まり、アフガン国内診療所の開設、そして旱魃下での井戸掘削や農業用水路の建設という事業の実質とスケールに感嘆するだけでなく、そこから紡ぎ出された思索の結晶である言葉に、鮮烈な感動を覚えなかっただろうか。
私は中村医師の幾冊かの著作編集に携わってきたが、いつか彼の言葉のエッセンス集を編んでみたいと考えてきた。それは彼の言葉を読み直すたびに、その思索の深さと重層性に打たれるとともに、そのつど新鮮な発見があるからである。とくに世界が不条理と混迷の荒海に沈もうとするときに、彼の洞察力に満ちた言葉が、羅針盤のように方角を示してくれると思えるからである。
本書は、彼の著作『ペシャワールにて 癩そしてアフガン難民〈増補版〉』(初版一九八九年)と『ダラエ・ヌールへの道 アフガン難民とともに』(一九九三年)のなかから、心に残る言葉を選んだものである。
この二冊の著作を読まれた方も読まれていない方も、彼の事業のドラマチックな物語を背景に沈めて、その言葉を玩味していただきたい。
その上で、この二冊に立ち戻っていただければ、新たな発見があることは間違いないと考える。
*「言葉」の背景が分かりにくいと思われる箇所については、簡単な説明を付した。
*一部漢字には、原典にはないふりがなを付した。
* それぞれの言葉の出典については、『ペシャワールにて〈増補版〉』をP、『ダラエ・ヌールへの道』をDとし、その頁数を記している。二頁にわたる場合は、最初の頁のみを記した。
編集子
著者プロフィール
中村 哲(ナカムラ テツ)
1946年福岡県生まれ。九州大学医学部卒業。日本国内の病院勤務を経て、84年にパキスタンのペシャワールに赴任。以来、ハンセン病を中心とした貧困層の診療に携わる。87年よりアフガニスタン難民のための医療チームを結成し、山岳無医地区での診療を開始。98年にはペシャワールに基地病院を設立。2000年からは診療活動と同時に、大干ばつに見舞われたアフガニスタン国内の水源確保のために井戸掘削とカレーズ(伝統的な地下水路)の修復を行う。03年、「緑の大地計画」に着手、ナンガラハル州に全長27キロメートルに及ぶ灌漑用水路を建設した他、農村復興に尽くした。2019年12月4日、アフガニスタンのジャララバードで凶弾に倒れる。 著書:『ペシャワールにて』『ダラエ・ヌールへの道』『医者 井戸を掘る』『医は国境を越えて』『辺境で診る 辺境から見る』『医者、用水路を拓く』『中村哲対談集 人・水・命』(以上、石風社)、『天、共に在り』『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』(以上、NHK出版)、『人は愛するに足り、真心は信ずるに足る』(岩波書店)、『アフガン・緑の大地計画』(PMS &ペシャワール会)、『希望の一滴』(西日本新聞社)、『中村哲 思索と行動』(ペシャワール会)など。 上記内容は本書刊行時のものです。ご注文はこちらから 質問する
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