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(新装版)死民と日常
私の水俣病闘争

文芸

渡辺京二(著) / 高峰武(解説)

発売: 弦書房

四六判  288ページ 並製
定価 2,090円 (消費税 190円)
ISBN978-4-86329-308-3 C0095

書店発売日 2025年05月19日
登録日 2025年04月02日

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解説

1970年代前半の「水俣病闘争」を患者たちの立場に立って支えることに徹した精神的な指導者・渡辺京二の軌跡。水俣病事件の本質を初めて公の場で述べた注目すべき講演録。

紹介

本書の柱は、1970年代前半の「水俣病闘争」を患者たちの立場に立って支えることに徹した精神的な指導者・渡辺京二の軌跡である。中でも1990年12月に、熊本・真宗寺で語った「水俣から訴えられたこと」は、昭和44年から昭和48年までのおよそ4年間にわたる、患者たち自身による闘争の全体像を、著者自らが総括する形でまとめられており、水俣病事件の本質を初めて公の場で述べた注目すべき講演録である。他に、水俣工場前での坐りこみのビラ、「許す」ということの意味、など重要な資料(論考)も収録。

目次

【I】闘争のさなかで
現実と幻のはざまで/死民と日常/流民型労働者考/チンプンカンプンとしての裁判/終りなき戦いの序章/私説自主交渉闘争/『わが死民』解説

【II】あの闘争とは何だったのか
水俣から訴えられたこと(真宗寺講演録)/『わが死民』あとがき/義の人の思い出/「許す」という意味

《資料》
水俣病患者の最後の自主交渉を支持しチッソ水俣工場前に坐りこみを/われわれは存在をかけて処理委回答を阻止する/三宅さんの訴訟取下げについて

著者プロフィール

渡辺京二(ワタナベ キョウジ)
1930年、京都市生まれ。2022年12月逝去。熊本市在住。日本近代史家。主な著書に『北一輝』(毎日出版文化賞、朝日新聞社)『逝きし世の面影』(和辻哲郎文化賞、平凡社)『近代をどう超えるか―渡辺京二対談集』『もうひとつのこの世-石牟礼道子の宇宙』『死民と日常―私の水俣病闘争』『万象の訪れ-わが思索』『預言の哀しみ―石牟礼道子の宇宙Ⅱ』『江戸という幻景』『荒野に立つ虹』『未踏の野を過ぎて』『幻のえにし-渡辺京二発言集』『肩書のない人生—渡辺京二発言集2』『小さきものの近代』(以上、弦書房)『黒船前夜-ロシア・アイヌ・日本の三国志』(大佛次郎賞、洋泉社)『バテレンの世紀』(読売文学賞、新潮社)『原発とジャングル』(晶文社)など。
高峰武(タカミネ タケシ)
1952年熊本県玉名市生まれ。早稲田大学卒。熊本日日新聞社編集局長、論説委員長、論説主幹を経て現在、論説顧問。著書・共著に『ルポ精神医療』(日本評論社)、『検証ハンセン病史』(河出書房新社)、岩波ブックレット『水俣病を知っていますか』『熊本地震2016の記憶』『8のテーマで読む水俣病』『生き直す 免田栄という軌跡』(弦書房)、『検証・免田事件[資料]1948年(事件発生)から2020年(免田栄の死)まで』(現代人文社)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。

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