版元ドットコム加盟社のうち九州を拠点とする出版社が書誌情報、日々のあれこれなど、共同で運営・発信します
書評あり

 

韓国映画から見る、激動の韓国近現代史 歴史のダイナミズム、その光と影

崔盛旭(著/文 他)

発売: 書肆侃侃房

四六判  
価格 2,420円 (消費税 220円)
ISBN978-4-86385-624-0 C0074
在庫あり

書店発売日 2024年04月24日
登録日 2024年03月25日

このエントリーをはてなブックマークに追加
 読書メーター  本を引用

書評情報

東京新聞/中日新聞  朝刊

紹介

韓国映画はなぜ、悔恨と希望を同時に語るのか。
人間の奥底にひそむ心優しさに訴えかけるのか。
本書は現代の韓国映画を造り上げてきた、
人間の強さをめぐるエッセイである。
浅い水の戯れは愉しく美しい。
深い淵を覗きこむ者は、隠された物語を知る。
歴史という名の知恵のことだ。
――四方田犬彦(映画誌・比較文学研究家)

植民地支配、南北分断と朝鮮戦争、
長きにわたる軍事独裁、そして国民の手で勝ち取った民主化……。
「3・1独立運動」「済州島4・3事件」
「光州事件」「6月抗争」など
激動そのものだった韓国の近現代史と
そのなかで形作られてきた「儒教的家父長社会」。
近年ますます存在感を高めている「韓国映画」を題材に、
そこから透けて見える歴史や社会問題を解説。
韓国という国のダイナミズムをより深く、
より立体的に理解するための一冊である。

『パラサイト 半地下の家族』『タクシー運転手~約束は海を越えて~』『KCIA 南山の部長たち』『1987、ある闘いの真実』『ベイビー・ブローカー』『ミナリ』『はちどり』『息もできない』『キングメーカー 大統領を作った男』『高地戦』『金子文子と朴烈』『グエムル-漢江の怪物-』『焼肉ドラゴン』『私の少女』……韓国映画44本から激動の歴史を読み解く

目次

はじめに
凡例

第1章 韓国と日本・アメリカ・北朝鮮

韓国と日本 
❶『ロスト・メモリーズ』歴史「改変」映画は新たな解釈の可能性を提示できるか
❷『密偵』英雄か、逆賊か 歴史の曖昧さゆえに成し得た物語
❸『金子文子と朴烈』〝反日〟映画が再発見した、ある日本人女性の強烈な生
❹『マルモイ ことばあつめ』言葉が奪われた時代に、言葉を守り抜いた人々
❺『哭声/コクソン』韓国社会における、よそ者/日常としての日本

韓国とアメリカ・北朝鮮
❻『スウィング・キッズ』戦争とミュージカルのコントラストが叫ぶ「イデオロギーなんてくそったれ!」
❼『高地戦』人間に優先されるイデオロギーはない 無意味な攻防戦に散った若い命
➑ 『グエムル-漢江の怪物-』少女はなぜ死ななければならなかったのか? 〝反米〟に透けて見える映画の真のメッセージ
❾ 『白頭山大噴火』殺し合う南北/抱きしめ合う南北、映画に見る南北関係の変遷
❿ 『レッド・ファミリー』北朝鮮スパイの歴史と映画が描く韓国の欲望

コリアン・ディアスポラ
⓫ 『チスル』韓国現代史最大のタブー「済州島4・3事件」への鎮魂歌
⓬『焼肉ドラゴン』彼らが日本(ここ)にいる理由 家族史に見る「在日」の終わらないディアスポラ
⓭『ミナリ』アメリカは「夢」か「逃避」か? さまよう韓国人たち
⓮『ミッドナイト・ランナー』民族の再会から他者の排除へ 韓国映画は朝鮮族をどう描いたか

コラム監督論①チャン・リュル あらゆる境界を越えて東アジアを周遊する

第2章 軍事独裁から見る韓国現代史

朴正煕政権
⓯『国際市場で逢いましょう』それでも「あの時代は良かった」? 独裁時代と父親たちに贈るノスタルジア
⓰『7番房の奇跡』法は公正なのか? 独裁時代の暗黒司法史と死刑執行停止のいま
⓱『KCIA 南山の部長たち』正義心か、ジェラシーか 独裁者を撃ち抜く弾丸が意味するもの

全斗煥政権
⓲『タクシー運転手~約束は海を越えて~』韓国現代史上最悪の虐殺「光州事件」の真相に挑んだ劇映画
⓳ 『弁護人』 仕立てられた「アカ」のために闘った人権弁護士 盧武鉉大統領前史
⓴ 『1987、ある闘いの真実』二人の大学生の死が導いた独裁の終焉と民主化への一歩

コラム監督論②イ・チャンドン 作品に見る光州事件と1980年代韓国現代史

第3章 韓国を分断するものたち

格差
㉑『パラサイト 半地下の家族』韓国社会の格差を浮き彫りにする三つのキーワードから見えてくるもの
㉒ 『国家が破産する日』政経癒着の帰結としての「IMF通貨危機」、それがもたらした分断社会
㉓『バーニング 劇場版』「村上春樹ブーム」と「喪失」の90年代韓国を、現代の若者像に翻訳する
儒教的男性社会
㉔『はちどり』 少女の眼差しが晒す韓国儒教社会と暴力の連鎖
㉕『82年生まれ、キム・ジヨン』 抑圧に押し潰された女性たちが、自らの声を取り戻すまで
㉖ 『息もできない』底辺に生きる男が「悪口」の果てに求めた「家族のメロドラマ」
㉗『お嬢さん』男もヒエラルキーも乗り越えて 《帝国》と《植民地》の女性、勝利の連帯へ
㉘『ハハハ』〝あるべき男性像〟を笑い飛ばしてくれる、大いなる人間賛歌

マイノリティ
㉙ 『ファイター、北からの挑戦者』現在進行形のディアスポラ「脱北者」の少女が拳で立ち向かう韓国
㉚『バッカス・レディ』歴史の影に取り残された女性による、男性への復讐譚
㉛ 『私の少女』儒教・異性愛・ホモソーシャルな韓国社会にLGBTQの未来はあるか
㉜『トガニ 幼き瞳の告発』国民の怒りを呼び起こし、社会を変えた一本の映画

コラム監督論③女性監督の系譜 映画『オマージュ』が復元する女性(映画)史

第4章 韓国の〝今〟を考える

政治とメディア
㉝『キングメーカー 大統領を作った男』選挙の負のレガシーを作った男たち 「カルラチギ」の起源をたどる
㉞ 『アシュラ』大統領選を前に《逆走行》した一本の映画から、政経癒着の歴史を紐解く
㉟ 『共犯者たち』権力とメディアの関係性を皮肉に暴くドキュメンタリー
 
社会問題
㊱『冬の小鳥』踏みにじられた人権 韓国養子縁組問題の背景を探る
㊲『ベイビー・ブローカー』韓国で映画を撮った日本人監督たち 浮かび上がる韓国
㊳『殺人の追憶』連続殺人と軍事独裁という絶妙なメタファー
㊴『サムジンカンパニー1995』「英語」を武器に下剋上を目論む高卒女性たちの反乱
㊵『整形水』「美」は誰の欲望か? 外見至上主義と整形大国の関係性
㊶『明日へ』勝ち取る喜びをもとめて デモ大国・韓国における闘うことの意味
㊷ 『サバハ』新興宗教が乱立する韓国社会 エセにすがる人々の宗教的心性
㊸『君の誕生日』セウォル号事件 遺族の悲しみに「寄り添う」ということ
㊹ 『D.P.-脱走兵追跡官-』韓国兵役物語 若者たちの絶望と軍隊をめぐる諸問題

コラム監督論④キム・ギヨン 〝怪物〟監督の全盛期に見る韓国社会の深層

おわりに
韓国近現代史年表
韓国歴代大統領詳細

索引 i
初出一覧 ii
主な参考文献・検索サイト v

著者プロフィール

崔盛旭(チェ ソンウク)

上記内容は本書刊行時のものです。

ご注文はこちらから 質問する

2,420円
(消費税 220円)

在庫あり

送料無料

オンライン書店で買う


最寄りの書店で買う