鬼と権現
中世久留米の社会と宗教
古賀 正美(著)
A5判 192ページ 並製
定価 2,200円 (消費税 200円)
ISBN978-4-86656-146-2 C0021
在庫あり
書店発売日 2023年05月31日 登録日 2023年04月15日
解説
御塚・権現塚古墳と鬼夜の関係、『観興寺縁起』に描かれた武家・草野氏の館、たった30年で忽然と途絶えた地蔵信仰、善導寺焼き討ち事件の真相……。久留米に残る祈りの痕跡をたどり、中世人の精神世界を照らし出す。
紹介
御塚・権現塚古墳と鬼夜の関係、『観興寺縁起』に描かれた武家・草野氏の館、たった30年で忽然と途絶えた地蔵信仰、善導寺焼き討ち事件の真相、筑後川の水神信仰と平家伝説──
久留米に残る祈りの痕跡をたどり、中世人の精神世界を照らし出す。
目次
■第1章 鬼と権現──忘れられた霊場
御塚・権現塚古墳と三潴郡司
鬼塚と鬼
文献に見える鬼夜
能に見る鬼
「権現塚、鬼塚一条」の内容
権現塚と権現
大善寺玉垂宮の信仰圏
霊地の成立
■第2章 草野氏と『絹本著色観興寺縁起』
『絹本著色観興寺縁起』について
草野氏について
文献から草野氏の居館を復元する
字図から草野氏の居館を復元する
鎌倉前期から南北朝期の吉野尾館
付論・戦国期の城下町としての吉野尾館
『観興寺縁起』と草野氏──鎌倉時代後期の観興寺と吉野尾館跡
■第3章 肥前・筑後地方の応永地蔵板碑の造立とその意義
久留米地方の地蔵信仰の受容
応永地蔵板碑の分布と寺社
応永地蔵板碑の出現について
■第4章 天正12年12月の善導寺焼き討ち事件について
問題の所在
事件をめぐる政治状況
焼き討ち事件の史料の検討
地域権力としての善導寺
善導寺の大溝
■第5章 尼御前社と御供納
尼御前社について
筑後地方の平家伝説
八丁島の位置について
御供納について
著者プロフィール
古賀 正美(コガ マサミ)
1953年、福岡県八女市福島生まれ。福岡県立福島高等学校卒業。熊本大学法文学部文科国史学専攻卒業。1982年、久留米市役所入所(埋蔵文化財発掘調査員)。2013年、久留米市役所退職(文化財保護課長)。現在、久留米大学非常勤講師、八女市文化財専門委員会委員、久留米古文書を読む会代表。著書に『久留米城とその城下町』(海鳥社、2018年)がある。 上記内容は本書刊行時のものです。ご注文はこちらから 質問する
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