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中野万亀
女性がつなぐ人材育成の系譜

歴史・地理

高橋 研一(著)

発売: 海鳥社

A5判  100ページ 並製
定価 1,320円 (消費税 120円)
ISBN978-4-86656-159-2 C0021
在庫あり

書店発売日 2024年03月20日
登録日 2024年02月26日

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解説

全国に先駆けて伊福(佐賀県太良町)に夜学校を開設し、40年の長きにわたって地域の担い手を育て続けた中野万亀。婦人会の結成など地域における社会教育の先駆けとして、女性の社会参加を推し進めた彼女の取り組みを明らかにする

紹介

全国に先駆けて伊福(佐賀県太良町)に夜学校を開設し、四十年の長きにわたって地域の青年男性に教育を行った中野万亀。ついで矯風会(婦人会)を立ち上げ、災害救助や地域ぐるみの子育て環境の整備を行うなど、豊かな地域社会の構築と主体性と協調性を身につけた新たな地域の担い手を育てあげた。その背景には、篤誠院が鹿島に根付かせた女性による教育力あった。
本書では、篤誠院の影響をもっとも色濃く受け継いだ中野万亀のさまざまな取り組みの全容を明らかにし、その生涯を日本近代史の中に位置づける。

目次

はじめに
中野万亀のいま
近代佐賀の女性たちの姿を求めて
本書の目的

篤誠院と母縫
篤誠院の生涯/鹿島藩を変えた篤誠院
篤誠院による女性教育/追慕碑にみる縫の姿
縫の生涯/弟田中鐵三郎

万亀の誕生と成長
万亀の誕生/高津原小学校への入学
山口竹一郎への師事
佐賀県尋常師範学校女子教員養成所への入学
教員としての生活/中野権六との結婚
鹿島鍋島家と万亀/文事の素養

中野夜学会の開設
明治前期の地域の青年たちと夜学会・夜学校
中野夜学会の開設/中野夜学会での万亀
中野夜学会の生徒たち
地域に根付いていく中野夜学会
中野夜学会卒業生のその後
中野夜学同窓会の結成
『国際経済の片影』の編纂・出版
頌徳碑の建設/万亀と田澤義鋪

地域の女性団体の指導者として
日本近代史における婦人会と女子青年団(処女会)
佐賀県における処女会と婦人会の動向
伊福婦人矯風会の結成
会則にみる七浦村連合婦人会の活動/救護班の結成
農繁期託児所設置と乳幼児の健診事業
七浦村処女会の結成
万亀が伊福婦人矯風会に込めた思い

中野家庭寮の開設
大日本連合婦人会による家庭寮事業
中野家庭寮の概要/中野家庭寮の生徒たち
中野家庭寮での講義/中野家庭寮での生活
「家庭寮日誌」にみる寮生の感想
大倉邦彦の農村工芸学院
中野夜学会と中野家庭寮

晩年の万亀
夫権六との死別/相次ぐ表彰
大日本連合婦人会常務理事へ/大日本婦人会の結成
新しい時代への期待/万亀の政治思想
死去/田澤節子

おわりに
明らかになった万亀の取り組みの全容
近代を生き抜いた社会教育事業者の光と影
万亀の評価/鹿島の文化風土が生み出した万亀

中野万亀略年表
あとがき

前書きなど

本書は、万亀のいわゆる偉人伝ではない。万亀の業績を誇るのではなく、万亀を生み出した文化風土や日本近代史の中に万亀を位置づけることを心懸けた。
まず、文化風土であるが、万亀は生まれながらの偉人であったわけではない。本人の優れた資質もあったが、より大きなものは、篤誠院が鹿島に根付かせた人材を養成する力、すなわち地域の教育力によって育まれたのである。教育の振興は幕末期に全国でみられるが、その対象はほとんどが男性である。しかし、篤誠院は、妻として夫を支え、母として子供を薫育する女性に対する教育にも意を砕いていた。その薫陶は、縫から万亀に受け継がれたように、家庭の中で母から娘へとしっかりと引き継がれたのである。(中略)
中野万亀を主人公とした本書が、こうした佐賀の風土と文化が育んだ、忘れ去られた女性たちの姿を掘り起こす一助となれば幸いである。(本書「おわりに」より)

著者プロフィール

高橋 研一(タカハシ ケンイチ)
1980年生まれ。鹿島市民図書館学芸員。
佐賀大学地域学歴史文化研究センター特命研究員

【主要編著】
『〈再発見〉鹿島の明治維新史』(鹿島市、2018年)
『鍋島直彬と鹿島の蔵書文化』(鹿島市、2018年)
『田澤義鋪~今につながる政治教育の〈源流〉~』(共著、鹿島市民立生涯学習・文化振興財団、2021年)

上記内容は本書刊行時のものです。

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