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中国牛鬼蛇神録
獄中の精霊たち

文芸

楊 曦光(著) / 劉 燕子(監訳) / 小林 一美(解説)

発売: 集広舎

四六判  536ページ 上製
価格 3,850円 (消費税 350円)
ISBN978-4-86735-021-8 C0098
在庫あり

書店発売日 2021年12月25日
登録日 2021年11月18日

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書評情報

産經新聞  朝刊

解説

「偉大な経済学者の文革体験&聞き書き」

私は自分が目撃した暗黒の歴史を世人に伝えなければならない。なぜなら、我が魂は、永遠にこれら拘禁された精霊たちと共にあるからだ。
研究者・技術者・企業家・宗教者・舞台監督・医者・左官屋・スリ・狂人・同性愛者・ゴロツキ・農民・流れ者等々・・・
「中国は何処へ行くか?」を執筆した俊英高校生が10年間の獄中生活を共にした面々との記録を通じて描いた文化大革命時代の中国

「粟異邦、何か言うことがあるか?」
 「私は共産党に反対するが、人民には反対しない。共産党に反対するのは人民のためだ。人民はお前らに反対している。」この答えに、みなびっくり仰天した。
 「お前は犬の口を閉じろ! 死刑囚に足枷と手枷をつけろ!」(第8章)

紹介

文化大革命中の監獄における虐待と囚人たちの抵抗を克明に描く、現在のウイグルジェノサイドに通じる貴重なノンフィクション。「偉大な経済学者の文革体験&聞き書き」

私は自分が目撃した暗黒の歴史を世人に伝えなければならない。なぜなら、我が魂は、永遠にこれら拘禁された精霊たちと共にあるからだ。
研究者・技術者・企業家・宗教者・舞台監督・医者・左官屋・スリ・狂人・同性愛者・ゴロツキ・農民・流れ者等々・・・
「中国は何処へ行くか?」を執筆した俊英高校生が10年間の獄中生活を共にした面々との記録を通じて描いた文化大革命時代の中国

「粟異邦、何か言うことがあるか?」
 「私は共産党に反対するが、人民には反対しない。共産党に反対するのは人民のためだ。人民はお前らに反対している。」この答えに、みなびっくり仰天した。
 「お前は犬の口を閉じろ! 死刑囚に足枷と手枷をつけろ!」(第8章)

目次

日本語版への序―あなたの精霊は永遠に 楊暉
自序
第一章  「中国は何処へ行くか?」とは何か―「楊曦光」から「楊小凱」へと改名―
第二章  長沙市の「左家塘」看守所に二年拘禁
第三章  凄腕のスリ・羅鋼
第四章  企業家だった「めくらの廬」
第五章  処刑された地下革命家・張九龍
第六章  「土匪の向」という男
第七章  「紅色怒火」の一兵士・毛火兵
第八章  「粟異邦」という同名二人の運命
第九章  長沙一中の友・「聯動分子」の程徳明
第十章   二人の「聖人君子」
第十一章 「舵手」と称された思想家・劉鳳祥
第十二章  荒涼たる労改「建新農場」へ
第十三章 「逃亡犯」たちの運命
第十四章  賓親方、中国の歴史を語る
第十五章  数学と物理学を教えてくれた余さん
第十六章  政治犯改造の「成功」例・劉震宇
第十七章 「復古」と「根こそぎ」の造反派処刑
第十八章  演劇人・宋紹文の密告
第十九章  現行反革命分子・黄文哲の最後
第二十章  メガネの黄さんの小説
第二一章  謎のまま処刑された「労働党員」、「五・一六分子」
第二二章  過激な「演説家」たち
第二三章  数学を学び、人に教え、また初恋を知る
第二四章  王親方と弟子の盧さん
第二五章  囚人の王医師の語る艶話
第二六章 「反革命組織犯」たちの様々な歴史的証言
第二七章  文革末期に続発した処刑
第二八章  出獄を待つ囚人たち
著者あとがき
楊小凱(曦光)の人と学問  劉燕子
重要事項・諸問題解説  毛沢東時代と中国を世界史の中で理解するために 小林一美
訳者あとがき 劉燕子

著者プロフィール

楊 曦光(ヨウ ギコウ)
本名、楊曦光。経済学者。
 湖南省長沙の名門校「一中(中高校)」の高三(19歳)の時、自派紅衛兵の悲惨な下放の実態に関する詳細な調査に基づき「中国は何処へ行くか?」を書き上げた。これは香港を通して世界各国に知られ、幅広く注目を集めたが、彼自身は「現行反革命」で懲役10年の刑。
 楊曦光の父は大躍進政策を進めた毛沢東への批判に名を連ねていたため左遷。母は文革期に迫害の中で自殺。

 楊曦光は釈放されても反革命分子の名前が知れわたり就職できないため幼名の「楊小凱」を再び用い、印刷工場校正係、中国社会科学院計量経済研究所、武漢大学助教を経て1983年に渡米し、88年にプリンストン大学で博士号を取得し、オーストラリア・モナッシュ大学教授。2002年に受洗し自由な信仰を起点に自由な個人、自由な秩序、自由な制度というステップを構想。2004年に帰天。中国語と英語による経済、政治、文革に関する論文・著書は多数。
劉 燕子(リュウ エンズ)
小林 一美(コバヤシ カズミ)

上記内容は本書刊行時のものです。

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