不管地の地政学
アジア的アナーキー空間序論
森 勝彦(著)
四六判 256ページ 並製
価格 3,960円 (消費税 360円)
ISBN978-4-903316-65-9 C3025
在庫あり
書店発売日 2019年10月04日 登録日 2019年09月26日
解説
九龍寨城に代表される不管地はどのようにして形成されたのか─多数の図版とともにその謎に迫る。
紹介
九龍寨城に代表される不管地はどのようにして形成されたのか─多数の図版とともにその謎に迫る。
九龍寨城、天津、韓辺外、さらには戦後日本の横浜中華街からベトナム戦争時期の横浜本牧の洋楽的アナーキー空間へと歩を進める不管地の旅。
目次
はじめに
Ⅰ 境界と不管地
Ⅱ 上海越界路空間の不管地性
Ⅲ 天津三不管の形成と変容
Ⅳ 長春三不管とペスト
Ⅴ 韓辺外
Ⅵ 香港九龍寨城の不管地空間
Ⅶ ゴールデントライアングル
Ⅷ 戦後の横浜中華街の不管地性
Ⅸ 横浜本牧の洋楽的アナーキー空間
おわりに
コラム
①現代中国の不管地
②外国郵便局の立地
③老西開
④卡子
⑤東北の金鉱山
⑥香港の調景嶺と沙頭角
⑦海外の中華系不管地の可能性
⑧根岸外国人墓地
⑨米軍基地の闇と光
前書きなど
1990 年の夏,初めて訪れた九龍寨城は衝撃的であった。このような場所が何故形成されたのか,何故このような統一性のない薄汚れた高層ビルが密集しているのかなど,驚きと同時に疑問百出の経験をした。翌年,天津を訪れる機会があった。観光スポットとなっている南市食品街の周囲に広がった地域は,九龍寨城を横にしたような景観であった。昔は三不管と呼ばれたその場所は,旧中国時代と殆ど変らなかった。
著者プロフィール
森 勝彦(モリ カツヒコ)
1953年,鹿児島県生まれ。東京教育大学文学部卒業。筑波大学大学院歴史・人類学研究科博士課程単位取得退学。2001年,北京大学城市環境学系留学。現在,鹿児島国際大学国際文化学部教授。主要著書に『中華郵便局の歴史地理』(中国書店,2012年)。 上記内容は本書刊行時のものです。ご注文はこちらから 質問する
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