陸に上がって記者になる
私の地方紙奮戦記
井口 幸久(著/文 他)
四六判 224ページ 並製
定価 1,870円 (消費税 170円)
ISBN978-4-907902-33-9 C0095
書店発売日 2023年05月20日 登録日 2023年05月02日
書評情報
秋田魁新報 朝刊 | |
秋田魁新報 朝刊 |
解説
抱腹絶倒の商船大時代を経て、向こうみずに飛び込んだ地方新聞社。理屈では解けない人間の実相を追い求めて特ダネの修羅場から巷の揉めごと、はては“電脳”との戦いまで、時代の逆風を受けながら走り続けた40年の回想記
紹介
船乗りめざした青年が、おのれのペンを羅針盤(コンパス)に、メディアの海へ漕ぎ出した! 抱腹絶倒の“商船”時代を経て、向こうみずに飛び込んだ地方新聞社。理屈では解けない人間の実相を追い求めて、特ダネの修羅場から巷の揉めごと、はては“電脳”との戦いまで―時代の逆風を受けながら走り続けた40年の悲喜交交を綴った航海日誌(ログブック)。
目次
第1章 私の大航海時代
商船大学学生寮
練習船日乗
南洋珍道中
幸福(しあわせ)のグリーン・フラッシュ
やがて哀しきハワイ航路
第2章 特ダネ狂騒曲
南国・鹿児島へ
世紀の当て逃げ事件
走れイノクチ!
島原大変
母乳から出た特ダネ
第3章 リメンバー・ニュースペーパー
“電脳時代”がやってきた!
KOBEの日々
介護タクシー奮戦記
ミロク先生との出会い
電脳界の巨人
盤上の勝負師たち
前書きなど
「会社訪問に行くがお前も来んや?」
高校時代の友人Kからの誘いに乗った。「オカに上がる」ことに傾いてはいたが、就職活動をどのようにしたものか分からない。(略)
「井口君は指定校じゃないけん、ちょっと難しかねえ」
指定校の学生でなければ受験もできない。娑婆には娑婆のルールがあるのか。暗然たる気持ちでKと酒を飲んだ。
翌朝、新聞を眺めると一面のトップに大型フェリーと貨物船の衝突事故の記事があった。ツラツラ読んだが状況が分からない。何度読み返しても辻褄が合わない。
「何じゃ、この記事は?」
よし、ここを受けてみよう。こんな記事は粉砕すべきだ。私はそんな動機だけで西日本新聞社を訪ねた。(本文より)
著者プロフィール