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九州文学

九州文学同人会(編集)

発売: 九州文学同人会

A5判  256ページ 並製
価格 1,100円 (消費税 100円)
ISBN978-4-910038-73-5 C0095
在庫あり

書店発売日 2023年03月06日
登録日 2023年02月22日

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解説

火野葦平や劉寒吉らを輩出し,82年の伝統を持つ九州発の文芸誌『九州文学』(季刊)の最新号。

紹介

火野葦平や劉寒吉らを輩出し、82年の伝統を持つ九州発信の文芸誌『九州文学』581号。
 **
九州文學は1938年(昭和13年)、福岡県を中心に活動する火野葦平、劉寒吉、岩下俊作、原田種夫らによって創刊。以来、昭和・平成・令和と継承されていき、詩、俳句、小説と多くの作家が切磋琢磨して、創り上げてきました。2020年7月より第八期として新しく船出しリニューアル、第2号。80年の伝統を守りつつ、今後も豊かな言語芸術を志して参ります。

目次

【巻頭詩】
春 日[金子秀俊]

【詩】
冬の隧道[柴田康弘]
蜘蛛と生きる[麻田春太]
今年の秋の その向こう[松野弘子]
まだまだ大変だ[秋山喜文]
ヘルペス体験[高森 保]
花 桃[本田雅子]

【俳句】 
春燦々と[麻田春庵]
奴 凧[中園 倫]

【短歌】
湖東三山[中村重義]

【随想】
鬼 灯[園田明男]
山開きの日[木村 咲]
初めて[井野光憲]
■科学エッセイ お化けのエネルギー[屋代彰子]

【掌編】
雨後晴[今給黎靖子]

【小説】
雪華の声[野見山悠紀彦]
南阿蘇戦記[塚元秀樹]
ロスコの部[屋上村信広]
もう一つの世界[二][緑川すゞ子]
カジュエロ町のサントス 南十字星の下 熱砂の祈り[Ⅳ][永井竜造]
船島(巌流島)の決闘・異聞[宮川行志]
戦国スケッチ❶ 放ち討ち[箱嶌八郎]


【コラム】オートバイ/運気とおみくじ/ユーチューブ・ミュージック
■編集委員会便り
編集後記
579号への時評・季評抜粋/受贈誌
同人募集/原稿募集/同人・特別同人名簿

前書きなど

【巻頭詩】
春 日[金子秀俊]

天皇誕生日の午後のことである
私は我家へ向かう坂道を下っていた

二人の男の子が手をつないで坂を上って来る
一人は小学校の高学年と思われる
一人はまだ学校にあがらないぐらいの小さな子
小さい方の子が上を向いて大きい方の子に
けんめいに何か話している
大きい方の子はやや腰をかがめて聞いている

私とすれ違おうとする時
大きい方の子が
「こんにちは」と
突然あいさつをした
私は驚いて
「こんにちは」と応える

「兄弟ですか」
私がたずねると
「はい」
兄が答えた

二人はゆっくりと坂をのぼっていく

私は二人を見て思った
二人の両親はどんな人だろう

あたたかい光があふれる思いがした

著者プロフィール

九州文学同人会(キュウシュウブンガクドウジンカイ)
『九州文学』は,1938年,福岡県を中心に活動する火野葦平,劉寒吉,岩下俊作,原田種夫らによって創刊。火野葦平は「糞尿譚」によって第6回の芥川賞を得,岩下俊作が『九州文学』に掲載した「富島松五郎伝」は度々映画化された「無法松」の原作である。その他多数の同人が芥川賞,直木賞の候補に挙げられ,九州を代表する同人誌として『九州文学』の全国的地位を確立させた。なお,邪馬台国論争に民間研究者が発言するきっかけとなった『まぼろしの邪馬台国』(宮崎康平)も『九州文学』に掲載されたものである。現在でも同人は全国各地の文学賞を受賞するなど活躍している。

上記内容は本書刊行時のものです。

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