九州文学
九州文学同人会(編集)
A5判 296ページ 並製
価格 1,100円 (消費税 100円)
ISBN978-4-910038-81-0 C9095
在庫あり
書店発売日 2023年11月02日 登録日 2023年10月25日
解説
火野葦平や劉寒吉らを輩出し,82年の伝統を持つ九州発の文芸誌『九州文学』(季刊)の最新号。
紹介
火野葦平や劉寒吉らを輩出し、82年の伝統を持つ九州発信の文芸誌『九州文学』583号。
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九州文學は1938年(昭和13年)、福岡県を中心に活動する火野葦平、劉寒吉、岩下俊作、原田種夫らによって創刊。以来、昭和・平成・令和と継承されていき、詩、俳句、小説と多くの作家が切磋琢磨して、創り上げてきました。2020年7月より第八期として新しく船出しリニューアル、第2号。80年の伝統を守りつつ、今後も豊かな言語芸術を志して参ります。
目次
【巻頭詩】
乾いた街[麻田春太]
【詩】
欠 伸 僕の小学校時代 [高森 保]
5月の[石﨑真由美]
咲い噺[金子秀俊]
失意の日のために[柴田康弘]
斑模様[麻田春太]
私のお父ちゃん その二 尻尾[松野弘子]
彼はもう死んでしまった[秋山喜文]
柄/声[林 恭子]
つばさ[本田雅子]
十二月より[梶原佑心]
【俳句】
さやけしき秋/ペルソナの冬[麻田春庵]
露の音/初日さす[中園 倫]
【短歌】
『この天の虹』撮影異聞[中村重義]
【随想】
昔むかしのはなし[木村 咲]
万事塞翁が馬[中園 倫]
万金丹[園田明男]
科学エッセイ 科学のことば 小説『献灯使』のこころみ[屋代彰子]
【小説】
一千万分の一の涙[由比和子]
観音堂と弓ケ浜[木澤 千]
もう一つの世界[三][緑川すゞ子]
源重郎世事手控 袖の下[野見山悠紀彦]
可惜身搬送記[宮川行志]
ケブラモーラ 「カジュエロ町のサントス」外伝[永井竜造]
やまぶきの花[今給黎靖子]
朽葉色の鍵[溝口志保]
【評論】
遺 書 新しい人体のためのテーゼ[城戸祐介]
【コラム】
留学生余話(10)日本語学校の入国サポートの話/(11)私のアンテナ
(12)ネパールのイエスは?ベトナムの言い訳文化とは?/(13)留学生の万引き
(14)留学生の交通事故の話/(15)学業優秀な卒業生の話
編集委員会便り
編集後記
582号への時評・季評抜粋 他
前書きなど
【巻頭詩】
乾いた街 [麻田春太]
青白い光が
板硝子に屈射し
高層ビルの土煙が
舞い上がる
そこに 私は居る
杖なしでは歩けない 私が居る
すべてワンタッチの世に
遅れを取り戻すことなど
この乾いた街では
無駄なことだ
橙色に乾いた風が
靡いて
赤い光が街を
覆いつくすまで
私は
乾いた街の片隅に
佇んでいた
著者プロフィール
九州文学同人会(キュウシュウブンガクドウジンカイ)
『九州文学』は,1938年,福岡県を中心に活動する火野葦平,劉寒吉,岩下俊作,原田種夫らによって創刊。火野葦平は「糞尿譚」によって第6回の芥川賞を得,岩下俊作が『九州文学』に掲載した「富島松五郎伝」は度々映画化された「無法松」の原作である。その他多数の同人が芥川賞,直木賞の候補に挙げられ,九州を代表する同人誌として『九州文学』の全国的地位を確立させた。なお,邪馬台国論争に民間研究者が発言するきっかけとなった『まぼろしの邪馬台国』(宮崎康平)も『九州文学』に掲載されたものである。現在でも同人は全国各地の文学賞を受賞するなど活躍している。 上記内容は本書刊行時のものです。ご注文はこちらから 質問する
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